公益財団法人 奈良屋記念杉本家保存会

台所

黒レンガ造りの4つの火炊き口を持つでんとが残されており、大勢の食事を賄ったであろうこの家の商家としての往時の様子がうかがえる。

杉本家の台所

12畳分の台所は、一般的な京町家よりかなり広い間取りであり、奈良屋が大店であったことの象徴ともいえる。現在、南から1間筋で、内玄関向きに北側を8畳にして間仕切られており、走り庭もその筋で仕切塀を建てて2分する。
本来の台所は、走り庭に面して3間通しで開放されていた。その両端には、手前側に大黒柱、向こう側に小黒柱を建て構える。その大黒柱をつないでいる胴差が、いわゆる蓮台(れんだい)であり、太い指物である。そしてユカ廻りを固めているの縁框。蓮台の上には半間おきに束を建て、走り庭の上の火袋を構成する小屋組が組み上げられている。

走り庭は吹き抜け

走り庭の上には天井は張られず、棟もおよそ25.6尺と高く、火袋には太い牛梁(うしばり)が架け渡され、それに小屋束(こやづか)が建てられ、縦横に走る貫で差し固められていく。大黒柱から地棟(じむね)の牛梁、小屋束、貫と、次第に細くなっていく取り合わせには微妙な感覚もはたらいている。3方には、明かり障子を建て込んだ高窓を開け、棟近くには煙出しも開け放たれている。

「走り庭」に映る日常

「走り庭」
台所の作業場をこう呼ぶ。 くらしのなかでは、ハシリと称され、ニワという音は省かれ慣用されている。ここには、黒レンガ造りの4つの火炊き口を持つ竃戸が残されており、大勢の食事を賄ったであろうこの家の商家としての往時の様子がうかがいしれる。

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